第16章~ペットと繋がる(24)

「それから、実は動物のマスターと話す前に、ハイヤーセルフにあることを言われたの」 

 

なんて? 

ママが、動物保護の仕事に就きながら、心の中が、人間への怒りと悲しみ一杯だったとき。

 

ハイヤーセルフはこう言った。 

 

「それこそが(今回の)壁である」 

 

そして、こう続けた。 

 

(セラピストをやってくれていた美帆さんに向かって)


「あなたと同じくらいの子供を持つ母親が、クライアントとしてやってきたとする。
その子供がいじめにあって、自殺したと。
その悲しみを癒したくて母親が訪れた時、あなたはセッションができるか?」

 

美帆さんがはらはらと涙を流して、首を横に振った。

 

「いいえ」

 

「それが出来なければ、単に転職とか、恋愛とか、そういった限られた悩みのクライアントに対してしか、セッションができない。

 

でも、助けなければいけないのは、もっと深く傷ついた魂。

 

だから、これを乗り越えることこそが、(セラピストとしての)”壁”。

 

同情したり、動揺したり、一緒に悲しむようでは駄目だ」

 

Sさんから伝えられた、
「沢山の動物の死に立ち会うことになるが、大丈夫か?」
という言葉に、ママがすごく動揺してしまったことも、然りである。

 

「あのね、エフちゃん、ヒプノのセッションを受けてる時って、潜在意識の中にいるでしょ?

 

不思議なんだけど、セラピストの性格とか、感情とかがよ~くわかるの」

そうなの?

 

「うん。優しい人だなあ、とか、誠実さとか、すっごく伝わってくる」

 

逆に言うと、潜在意識下では「かくれみの」は通用しないともいえる。

 

セラピストがイライラしているとか、適当にやっているとか、動揺しているとか、  
すべてストレートに入ってくるから。  

 

だから、 

 
.「淡々と」  

 

ママは常にそれを心がけているのだと言った。  

 

そして、そうあるためには、セラピストもまた、様々な感情を手放していかなければならない。