第17章~シータヒーリング(10)

「では、行ってあげて下さい」 

 

ママは、その女の子の側に行くイメージをした。  

幼児期退行のときのように。

 

そう、幼児期退行では、幼い頃の自分のそばに
今の大人の自分が行って寄り添ってあげる、という手法を使うことがある。

 

例えば、一人ぼっちで寂しい想いをしている子供の側に行って、「大丈夫よ」と抱きしめてあげたり。

 

そうすると、子供は、ほっとして、安心することで、そのときにフリーズされた、「寂しい気持ち」を解放できたりする。

 

だけど。

 

このときは、何故か、それができなかった。

 

どんなにイメージしても、大人のママが、女の子のそばに行くことができない。  

  

おかしいな・・・。   

 

なんでだろう・・・。   

 

女の子は、自分もみんなの後を追いたいという気持ちになっている。 

   

ママは一生懸命に話しかけた。   

 

一日、一日を生きることを考えて。   

 

とにかく、今日一日、何とか食べて、生きて、    
そして、明日も、そうして、生きることだけを考えて。 

   

生き残ったことには意味があるのだから、頑張って、頑張って、生きて!    


そのとき。 

 

女の子が、「えっ?」という顔で、きょろきょろと辺りを見回した。  

 

そして、「気のせい?」とつぶやいた。  

 

彼女には、ママの姿は見えないが、声だけが聞こえているのだった。