第18章~時間の概念(7)

2週間後、Tさんから連絡がきた。

 

「ねえ、どうなっちゃったんだろう!」って。

興奮した声で。

 

「何十年間も自己中心的に振舞ってきたお母さんが、突然、変わり始めたんだって」

 

どんな風に?

 

Tさんが手がけている仕事の、運転資金を心配してくれたのだという。

 

この不況の折、大丈夫なの?って。

 

Tさん曰く、

 

「こんなこと、有り得ない!」

 

今までは、お金の相談などしようものなら、「とんでもない!」と怒鳴り散らされるのがオチ。

 

我儘なお母さんは、Tさんを散々振り回すことはあっても、Tさんのために、と思いやりをかけてくれることなど一度だってなかったのだという。

 

「信じられない」

 

Tさんはそう言っていたが、その後も月1回のペースでセッションを続けるうちに、お母さんのTさんに対する言葉や態度は少しずつ温かみを帯びてきた。